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いつの時代も、荷物の外装資材にはダンボールが用いられてきました。近年はフリマアプリなどが普及し、個人においてもダンボール梱包の機会が増えたのではないでしょうか。そこで今回は、ダンボール梱包の基礎知識や、荷物を効率的に詰めるポイントを解説します。
ここでは、ダンボール梱包における用意するもの、組み立て方といった基礎知識を解説します。
各資材・道具の特徴をみていきましょう。
梱包資材とは、物品を発送する際に使用する外装資材の総称です。ダンボールを筆頭に、厚紙ケースや封筒、宅配袋などの種類があります。
通常、ポスト投函対応サイズ以外の物品は、ダンボールで梱包・発送するのがおすすめです。宅配袋などで代用できますが、輸送中に汚れたり、破れたりする恐れがあります。
箱形形状のダンボールは強度に優れ、内包物をしっかりと保護します。内部に緩衝材を敷き詰めることで、輸送中の揺れ・衝撃が気になりません。何より、梱包資材として、見た目に安心感があります。ダンボールは個人・法人問わず、さまざまなシーンで重宝される外装資材です。
粘着テープには、ガムテープ・布テープ・OPPテープのよく使用される3種類があります。
ガムテープとは、不溶性の糊を片面につけた梱包材のこと。もともとは、発明王ことトーマス・エジソンが考案したもので、現代では表面をラミネート加工したクラフトテープとして使われています。手で簡単に切れて、取り回しの良い梱包材ですが、強度は布テープやOPPテープに劣ります。
布テープは、スフ基材と呼ばれる短繊維の片面に粘着剤を塗布した梱包材です。クラフトテープに比べて丈夫でありながら、手で簡単に切れるのが特徴。重ね貼りにも対応しており、汎用性と耐久性のバランスに富んだ梱包材といえます。
OPP(Oriented Poly Propylene)テープは、粘着剤を塗布したポリプロピレン材のテープのことです。強度と透明度が高く、近年は手で簡単に切れるタイプの製品も登場しています。ただ、伸縮性のない粘着テープであり、強い力で引っ張ると裂けるため注意しましょう。
緩衝材とは、輸送時に内容物の破損を防ぐことを目的とした資材です。
簡易的なものであれば、軽く丸めた新聞紙が緩衝材として機能します。より緩衝性に長けた資材としては、「プチプチ」の呼び名で知られるポリエチレン製の気泡緩衝材があります。
ダンボールを組み立てる際、底の閉じ方は強度に直結するので粘着テープの貼り方に注意してみましょう。代表的な貼り方として、一の字貼り・十字貼り・H字貼りの3パターンをご紹介します。
閉じ方の種類 | 粘着テープの消費量 | 補強効果 | 密閉度 |
---|---|---|---|
一の字貼り | 少ない | 低い | 低い |
十字貼り | 普通 | 高い | やや低い |
H字貼り | 多め | やや高い | 高い |
ダンボールの底面に粘着テープを引く、もっとも簡易的な組み立て方です。軽い荷物は一の字貼りでも問題ありませんが、基本的な補強効果は低め。粘着テープがダンボールの側面まで届くように、やや長めに貼ると強度が増します。
十の字になるよう粘着テープを貼る組み立て方です。一の字貼りに比べて強度が高く、底部の中央を集中的に補強できます。やや重量のある荷物を送る際は、十の字貼りでダンボールを組みましょう。
ダンボールの底部中央および左右に粘着テープを貼る組み方です。十の字貼りに比べると強度は低いものの、密閉度が高く、異物混入を防ぎます。必要十分な補強効果は得られますので、内容物の種類によってはH字貼りがおすすめです。
ここでは、基本的なサイズの選び方や、ジャストサイズのダンボールを使うメリットについて解説します。
ダンボールサイズのサイズは、縦・横・高さの3辺の外形寸法(以下、外寸)で決まります。そのため、規格サイズは同じでも、ダンボールごとに3辺の長さが異なる場合があります。
オーソドックスなA式箱(別名:みかん箱タイプ)、ギフト箱に多用されるN式、細長い形状のポスター式など、ダンボールの種類は多岐にわたります。梱包物の大きさに合わせ、適切なサイズのダンボールを選ぶことが大切です。
その上で意識したいのが、ダンボールのフルート(厚さ)と内径寸法(以下、内寸)です。内寸とは、ダンボールの内側部分の縦・横・高さの3辺の合計をいいます。また、フルートには、厚さ5mmのAフルート、3mmのBフルート、1.5mmのEフルート、8mmのBAフルートといった4種類があり、その厚みによって内寸が変動します。
たとえば、外寸230mm(縦)×160mm(横)×120mm(高さ)のA式タイプのダンボールがあるとします。Aフルートを選択した場合、3辺から5mmの厚さを引いた225mm(縦)×155mm(横)×115mmが内寸となります。ただし、ダンボール材の調子や接着精度により、内寸に2~3mmの誤差が生じること場合がほとんどです。単純にフルート分の値を引くのではなく、±3程度の隙間まで考慮し、内寸を割り出しましょう。
ユーパッケージでは、外寸60~220サイズのダンボール既製品ダンボールを販売しています。規格外のダンボールをお求めの場合、個別にオーダーメイドいただくことも可能です。
梱包物とジャストサイズのダンボールを用意することで、コスト削減や緩衝材による破損防止効果の向上が期待できます。最大のメリットは、送料の節約です。たとえば、60サイズ程度の荷物を、80サイズのダンボールに梱包した場合、送料が割高になります。ジャストサイズのダンボールを用意するだけで、不要な送料を支払わなくて済みます。
また、内部に緩衝材を敷き詰めることで、荷物がより動きにくくなります。輸送中の揺れ・衝撃に強くなり、荷物の破損防止効果が高まるでしょう。さらにいうと、必要な緩衝材の量も減るため、資材面のコスト削減に繋がります。
ダンボールの強度は、ライナーとフルートを考慮した箱選びや、荷物に合わせたフタの閉じ方によって決まります。具体例なポイントは次の通りです。
ダンボールは通常、表面・中芯・裏面の3層構造となっています。ライナーは、波形の中心を左右から挟み込む保護材のことです。外部から受ける圧力や衝撃から、心材を守る役割があります。
また、ダンボールの組み立て方も強度に影響します。大抵の物品は一の字貼り・十の字貼り・Hの字貼りで対応できますが、家具・家電などの重量物輸送の場合、米の字貼りを試してみましょう。
米の字貼りは、粘着テープを縦・横・斜めに貼り付けることで、ダンボール底部の強度を最大限まで高める方法です。粘着テープの必要数はかさみますが、極端に重量のある品でない限り、底抜けなどのトラブルを防止できます。
ダンボールの強度アップに失敗する場合、組み方に問題があると考えられます。たとえば、粘着テープを使わないクロス組みの場合、底抜けの危険性が高くなります。同様に、一の字貼りで側面まで粘着テープが到達していないなど、誤った組み方は、ダンボールの強度を低下させます。
ダンボールに荷物を詰める際、以下の2点を意識してみましょう。
ダンボールには、大きくて重い荷物から詰めるのが基本です。万が一、そのような荷物を上側に詰めた場合、下の荷物やダンボールの底部に強い負荷がかかります。結果、底抜けが起きたり、荷物がすべて入りきらなかったりするわけです。
大きい・重いものはAの箱、小さい・軽いものはBの箱と、複数のダンボールを使いわけるのもポイントです。運搬が楽になるほか、上手に荷物を詰めることで、ダンボールをはじめとする梱包資材の消費量を抑えられます。
丸めた新聞紙やポリエチレン製の気泡緩衝材などは、ダンボール内部の隙間を埋めるように使うのがおすすめです。また重量品輸送の場合は、ダンボール内側の底面に緩衝材を敷くと負荷が分散されやすくなり、底抜け防止に繋がります。
気泡緩衝材においては、凸部分を外側に向けるのがおすすめ。突起物を梱包する場合、輸送中の衝撃で、緩衝材が割れる恐れがあるためです。
ダンボールは比較的身近な外装材であり、自宅に余り物を荷物配送に使う機会が少なくありません。しかし、正しいダンボールの選び方や詰め方・強度、緩衝材の知識を把握することで、梱包作業の効率化や各種コストの削減に繋がります。
今後、引っ越しやフリマアプリの利用など、梱包作業が発生した場合は、いつもと違う視点でダンボールを選んでみてはいかがでしょうか。