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段ボールを購入する際、サイズや組み立て形状だけでなく、使用用途でライナーの種類を選ぶことが重要となります。
しかし、ライナーとは段ボールのどの部分なのか、知らない方も少なくありません。ライナーにはさまざまな種類があるため、種類の特徴を把握することも必要です。
そこで今回は、段ボールを構成しているライナーの役割・種類と、使用用途に合った段ボールの選び方を紹介します。ライナーの概要を知りたい方は、参考にしてください。
段ボールのライナーとは、段ボールの表面・裏面に貼られているボール紙のことです。段ボールは、2枚の平たいボール紙で、波型の紙を挟んだ構造となっています。
表面のボール紙が表ライナーと呼ばれ、裏面のボール紙が裏ライナー、波型の紙は中芯です。表ライナー・裏ライナーが、中芯と接着していることで、厚みのある段ボールを形作っています。
ライナーの原紙規格は、使用している原材料や厚みによって、C5・C6・K5・K6・K7の5種類に分けられます。ライナーの種類ごとの特徴は以下の通りです。
種類 | 特徴 | 重量 (1㎡あたり) |
---|---|---|
C5 | 強度を必要としない軽量物の梱包や、仕切り板・パットに使用されている。 | 160~170g |
C6 | C5よりも強度は高いが、現在では取扱いがほとんどない。K5で代用されることが多い。 | 160~170g |
K5 | 通常グレードの材質として段ボール箱に使用される。壊れやすい小物の梱包に向いていて、表面印刷もしやすい。 | 170~180g |
K6 | 強度が高く、箱を積み上げた際に天面が潰れにくい。特殊形状の段ボール箱に適している。 | 210~220g |
K7 | 一般的なライナーではなく、オーダー注文で製造される。海外輸出用や重量物の梱包用に使われることが多い。 | 280g |
ライナーの強度は、C5<C6<K5<K6<K7の順で高くなります。C5・C6は原料の古紙含有率が90%以上であり、強度はそれほど高くありません。
一方でK5・K6・K7のライナーは、バージンパルプの使用率が全体の30%程度あるため、強度の高い段ボールを作ることができます。
また、1㎡あたりの重量は、ボール紙の厚みを表している数字です。1㎡あたりの重量が重いほどボール紙に厚みがあり、折れ曲がりにくさ・切れにくさが増します。ライナーの表記は、「後ろの数字が大きいとほど強度は高くなる」と覚えておきましょう。
表ライナーと裏ライナーに挟まれた中芯の紙は、上下に波打っています。フルートとは、中芯に見られる波状加工のことです。フルートの段数と高さが、段ボールの強度と衝撃吸収性を生み出します。
中芯とフルートは、ライナーとの組み合わせで選ぶことが一般的です。ここでは、段ボール選びで欠かせない、中芯とフルートの種類や特徴を解説します。
中芯の原紙規格は、1㎡あたりの重量によって種類分けがされています。中芯の種類は、普通芯の120g・160g・180gと、中芯原紙を薬品で強度上げした、強化芯の強化180g・強化200gの計5つです。
ライナーの重量と同様に、中芯も重量が重くなるほど強度も高くなります。中芯の種類を強度順に並べると、以下の通りです。
120g<160g<180g<強化180g<強化200g
強い中芯を使うときは、ライナーもバランスのよい強度を選んでください。強度の低いライナーと強度の高い中芯を組み合わせると、折り曲げたときにライナーが中芯の強度に負けて千切れてしまう可能性があります。
フルートは、30cmあたりの段数によって、8種類に分けられます。それぞれのフルートにおけるシートの厚みと特徴は、以下の通りです。
種類 / 段数 | シートの厚み | 特徴 |
---|---|---|
Aフルート / 34±2 | 約5mm | 高い衝撃吸収性を持つ、日本国内で一般的なフルートである。 |
Bフルート / 50±2 | 約3mm | フルートの段数が多いため平面圧力に強い。 |
Cフルート / 40±2 | 約4mm | Aフルートより1mm薄いが、段数が多いため強度はほとんど変わらない。 |
Eフルート / 80以上 | 約1.5mm | マイクロフルートと呼ばれる極薄段ボールの中で、一般的なフルートである。 一般的な板紙よりも強度・緩衝性に優れている。 |
Fフルート / 120以上 | 約1.1mm | Eフルートよりも薄く、シートの収納性に優れている。 |
Gフルート / 160以上 | 約0.9mm | マイクロフルートの中でも一番薄い。 |
Wフルート / - | 約8mm | AフルートとBフルートを組み合わせた形状で、強度が高い。 |
2層AA段 / - | 約10mm | Aフルートを2枚組み合わせた形状で、手で曲げられないほどの強度がある。 |
ここまでは、段ボールの内部にまつわる情報を解説しました。
段ボール箱にはさまざまな種類があり、それぞれ用途も異なります。段ボール箱を購入するときは、目的に合っている種類を選ばなくてはなりません。
ここでは、よく使用される段ボール箱の種類と構造、使用用途について解説します。用途に合った段ボールの種類を知りたい方は、参考にしてください。
A式段ボール箱は、段ボール箱として一般的に知られている形式です。みかん箱タイプと呼ばれることもあり、商品の梱包・輸送や、引越しの荷造り用などに使われています。
A式段ボール箱は、胴部分の4面全てからフラップと呼ばれる蓋が伸びた、シンプルな構造です。フラップは内フラップ・外フラップの2種類があり、内フラップを中へ折り込み、さらに上から外フラップを折り込むことで、1つの面を作ります。
A式段ボール箱は標準的な箱形式であるため量産性が高く、生産コストも低いことが特徴です。
B式(キャラメルタイプ)段ボール箱は、筒状の胴部分に、天面と底面の外フラップを差し込んで箱形状を作る形式です。キャラメルケースのパッケージと同じ形状であったため、キャラメルタイプと呼ばれます。
B式(キャラメルタイプ)段ボール箱の構造は、胴部分を糊付けして筒状に組み立てて、天面・底面のフラップを差し込むだけのシンプルな構造です。
主な使用用途は、少量・軽量の商品を送ることが多い、通販業用の梱包箱です。内装箱として使われることもあります。
N式段ボール箱は、展開状態から糊付けすることなく、フラップを折り込んで深さの低い箱形状を作り上げることが特徴です。N式段ボール箱の中でも、額縁タイプは天面をしっかりロックできるため、密閉性に優れています。
N式(額縁タイプ)段ボール箱は、展開状態の折り線・折り込み部分が多い複雑な構造です。組み立てに時間がかかるものの、胴部分の3面が折り返しによる2重構造であり、高い衝撃吸収性と強度を持っています。
底面も抜けにくいため外装箱として使われることが多く、ノートパソコンなどの電子機器やCD・DVDの包装用に最適です。
たとう式段ボール箱は、和服を包むたとう紙のように梱包することが特徴です。組み立てた状態の箱寸法は深さが低くなり、書籍やCD・DVDなど薄手の商品を梱包する用途に適しています。
たとう式段ボール箱は、底面を中心に置いて、上下左右にフラップが伸びている構造です。組み立てるときは、左右の内フラップを折り込んで左右の側面を作り、次に上下の外フラップを折り込んで箱形状にします。
持ち手式段ボール箱は、組み立てたときの天面に持ち手ができ、バッグのように片手で持ち運ぶことができます。持ち手の形状は、フラップに手を通す穴が開いているタイプと、持ち手用の紐を通すタイプの2種類です。
持ち手式段ボール箱の構造を見ると、天面側のフラップに、持ち手を作り出すための折り込みが多くなっています。
持ち手式段ボール箱は持ち運びがしやすく、美粧性も高い作りとなっています。テイクアウト用の段ボール箱や、贈答用のギフト箱・化粧箱など、実用性だけでなく見た目も重視する使い方に最適です。
ここまで、段ボールのライナーと中芯やフルート、そしてよく使われる段ボールの種類と使用用途を解説しました。
ライナーにはさまざまな種類が存在しているため、段ボールを購入するときには確認しておくことが重要です。
ライナーは、中芯・フルートとのバランスを考えて選ぶことが一般的となります。紹介した段ボール箱の種類と使用用途を参考にして、目的に合った段ボール箱を選んでください。