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重たい荷物が入ったダンボールを持ち上げると、腰に大きな負担がかかります。負担が大きすぎると腰を痛めてしまうため、正しい姿勢を保ってバランスよく重さを支えることが大切です。
当記事では、腰を痛めないダンボールの持ち方や簡単に持ち運ぶための裏技、重いダンボールが運びやすくなる荷物の入れ方について解説します。引越しなどで重い荷物が入ったダンボールを取り扱う方や、腰に負担をかけたくない方はぜひ参考にしてください。
目次
ダンボールを持ち運ぶ際に腰を痛める原因は、無理な姿勢によってダンボールの重さが腰に集中することです。たとえば、床に置かれた状態の重たいダンボールを立ったままの姿勢で持つことや、ダンボールを腕力だけで持ち上げることが、腰を痛める原因となります。
立った状態から腰を折り曲げてダンボールを持ち上げると、ダンボールを支えるための力が腰にかかるため危険です。立ったまま床のダンボールを持ち上げる動作を日常的に繰り返した場合、腰の痛みが慢性化してしまう恐れもあります。
また、重たいダンボールを腕の力だけで持ち上げる動作も危険です。腕を伸ばした状態でダンボールを持つと、体から離れた位置に重さがかかるため、てこの原理によって腰の負担が大きくなります。
さらに、重い荷物が入ったダンボールを中腰の姿勢で運ぶことも、腰の負担が大きくなる原因です。中腰の姿勢は正しい姿勢と比較して腰の負荷が大きくなるため、腰にかかる負担を和らげたい場合は正しい姿勢でダンボールを持ちましょう。
ダンボールの持ち方に気をつければ、腰に負担をかけずに済みます。ダンボールを持ち上げる際に特に重要なポイントは、「脚の使い方」「ダンボールを持つ位置」「背筋を伸ばすこと」の3つです。
3つのポイントはすべて簡単にできる動作となっています。
ここからは、腰に負担をかけないダンボールの持ち方について詳しく確認しましょう。
腰に負担をかけないためには、片膝をついた姿勢からダンボールを持ち上げることがポイントです。ダンボールと体の位置が近くなるほど、腰の負担は小さくなります。
決して立ったままダンボールを持ち上げようとはせず、まず片膝をついて腰を落とす動作から始め、ダンボールを手で掴んでから、脚の力を使って持ち上げましょう。
ダンボールと体が離れていたり、脚を伸ばして前かがみの姿勢になったりすると、ダンボールを持ち上げる力が分散してしまいます。間違った姿勢では腰を痛める危険性が高いため、必ず片膝をついた状態から動作を始めましょう。
腰に負担をかけないダンボールの持ち方の2つ目のポイントは、ダンボールを持つ位置です。片方の手で手前側にある下の角、もう片方の手で奥側にある上の角を持ちましょう。
対角線になるようにダンボールの角の部分を持てば、安定した姿勢で重さを支えられます。反対に、ダンボールの真横を持つと手が滑りやすくなるため危険です。
床に置かれたダンボールの近くに片膝をついた後、体と腕で包み込むようにしてダンボールの角を持ってください。このとき、肘が真っすぐ伸びていると余計な力が必要となります。ダンボールと体をできるだけ近づけることで、持ち上げる力を必要最小限に抑えることができます。
腰に負担をかけないダンボールの持ち方の3つ目のポイントは、背筋を伸ばすことです。ダンボールを持ち上げるときや運ぶときは、背筋が伸びた状態を保ちましょう。
背中が丸まっていたり、上半身が前かがみになったりした状態でダンボールを持つと、腰を痛めるリスクが高くなります。特に重いダンボールを持つときは姿勢が崩れやすいため、注意が必要です。荷物が重い場合でも、背筋を伸ばした状態を意識してください。
ダンボールをお腹のあたりに引き寄せるイメージで持つと、背筋の伸びた正しい姿勢を保ちやすくなります。背筋を伸ばしてダンボールを運べば、腕や脚など全身の筋力をバランスよく使えるため、腰に余計な負担がかかりません。
重いダンボールを持ち運ぶためには、3つの裏技があります。基本的なポイントを守った上で裏技を使い、持ち方と持ち手に工夫を凝らせば、さらに簡単にダンボールを持ち運ぶことが可能です。
ここでは、重いダンボールを簡単に持ち運ぶための3つの裏技を詳しく説明します。
重いダンボールを簡単に持ち運ぶ1つ目の裏技は、重い箱を上に重ねて持つことです。
ダンボールが2つある場合は、重い方を上に重ねると簡単に持ち運べます。ダンボールを2つ重ねて持つ際は、片方の手で手前側の下にある角を持ち、もう片方の手で上下のダンボールが重なっている境目の部分を持ちましょう。
また、重たいダンボールを1つ運びたい場合に、あえて小さいサイズの空箱を下に重ねる方法も有効です。
重い箱を上にすると簡単に運べる理由には、重心の位置が関係しています。体の重心と箱の重心を近づけるほど、人は軽く感じやすいと言われています。重い箱を上に重ねることで、荷物全体の重心が体の重心に近づくため、重いダンボールも運びやすくなります。
重いダンボールを簡単に持ち運ぶ2つ目の裏技は、蓋を折り返して持ち手にすることです。ダンボールの蓋を左右に開けて外側に折り返し、蓋の部分を下から持つと簡単に持ち運べます。
持ち手ができることで、ダンボールに対して効率よく力を伝えることが可能です。ダンボールの角を持つ方法と比べて、より軽い力で持ち運べます。ダンボールの蓋の部分を持ち手にする方法を使えば、特別な道具を利用したり、手間をかけたりする必要がありません。
ただし、ダンボールが水で濡れていたり、蓋の折り目部分が破けていたりすると、重さを支えきれず、持ち上げたときにダンボールを床に落とす危険性があります。
蓋を持ち手にする裏技は、ダンボールの強度を確認した上で使用しましょう。
重いダンボールを簡単に持ち運ぶ3つ目の裏技は、持ち手を自作する方法です。持ち手がないタイプのダンボールでも、側面の一部を切り抜くことで簡単に持ち手を作れます。
まずサインペンで持ち手の位置を書き込み、書き込んだ線に沿ってカッターで切り抜けば、切り抜いた箇所を持ち手として使うことが可能です。
カッターを使う際は、ダンボールの中身を傷つけないため、刃の長さを必要最小限にしましょう。また、左右の側面に作る持ち手部分の高さを揃えることが、ダンボールを安定して持ち運ぶためのポイントです。
重いダンボールを持ち運ぶ際は、持ち方だけでなく物の入れ方にも注意点があります。
特に、皿や茶碗などの割れ物をダンボールに入れる場合は、入れ方が重要です。
●ダンボールに皿を入れるとき
皿を立てた状態でダンボールに入れると、持ち運ぶ際に箱が揺れても割れにくくなります。皿を横向きに積み重ねて入れると、運搬時に割れやすいため危険です。
●ダンボールに茶碗を入れるとき
茶碗を新聞紙や緩衝材で1つずつ包んでから、下に伏せた向きでダンボールに入れましょう。茶碗の口を下向きにすることで、茶碗とダンボール底面との接触面積が大きくなるため、安定して運ぶことが可能です。
さらに、ダンボールに重さの違う複数の品物を入れる場合は、重い物を上に入れましょう。
そうすることで、ダンボールを持ち上げたときの重心の位置が高くなるため、楽に運べます。
壊れにくくて軽い品物と重い品物をセットにしてダンボールに詰める際は、軽い物から先に入れてください。
ダンボールに詰める品物の入れ方を工夫することで、重い荷物も簡単に持ち運べるようになります。引越しや転勤などで重い荷物や割れ物を梱包する際は、上記のコツも意識してみてください。
重いダンボールを持つときは、正しい姿勢に気をつけることで、腰に負担をかけずに運べます。ダンボールを持ち上げるときは片方の膝をついて、できる限りダンボールを体に近づけた状態にしましょう。対角線上にダンボールの角を持って背筋を伸ばすことも、ダンボールの持ち方の重要なポイントです。
また、重いダンボールを上に重ねたり、持ち手を作ったりする裏技を使えば、ダンボールを楽に運べます。今回紹介したコツを参考に、体を痛めることなく運搬作業を行ってください。